現在、間引き登校でがんばっている(?)、元不登校児JKにょんのお話をしてきて、ついに小学校の完全不登校まで進んだところですが、実は、この不登校の謎解明は、母である私の、自分をひも解く旅でもありました。
今回は、彼女を見ていて分かった"自分のこと"についてお話してみたいと思います。
思えばずっと不安が強かった
不登校児のにょんは、とにかく不安の強い子でした。
小学校に入って初めて、それが尋常じゃないことに気づき、私の夜な夜な行われるネット検索の旅は、「不安が強い 子供」というキーワードに変わってきました。
そこで見つけたのが「強迫性障害」の文字。
強迫性障害
強迫性障害では、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまうことで、日常生活にも影響が出てきます。意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。たとえば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。
こころの病気であることに気づかない人も多いのですが、治療によって改善する病気です。「しないではいられない」「考えずにいらない」ことで、つらくなっていたり不便を感じるときには、専門機関に相談してみましょう。
「これ私だわ」ってなりました。
いろいろな症状があるのですが、私の場合、軽い加害恐怖・確認行為・数字へのこだわりがあったと思います。
例えば、働いていた頃なのですが、営業車で走っていて横断歩道などで止まっているときに、じーーっと車を見られたりすると、急に不安な気持ちが湧いてきます。
「もしかして、私、誰か轢いてしまっていて、死体を引きずって走っているんじゃないか?」
そんな馬鹿なこと、本当にちょくちょく想像していたんです。
それで、いてもたってもいられず、路肩に駐車して、車の後ろを確認、なんてことを繰り返していました。
また、いちばん困ったのが、鍵をかけたか?火を消したか?不安になるというもの。
「そんなこと、私にもあるよ」と言われがちですが、違いは明らか。
不安で途中で家に帰り、確認して出発。また不安になって確認に戻る、なんてことさえあったんです。
今考えればどう考えても異常なのですが、その時は自分のことしか知らないので、当然気付かないんですよね。
それが、子供の悩み解消で対策を探していた結果、自分の病に気づくという。
そこで、当時ほとんどなかった強迫性障害の治療をしてくれる病院に行き、投薬治療を始めました。
強迫性障害の治療でわかった頭の中のフル稼働
徐々に薬が効き始め、あることに気づきました。
頭が回らないんです。まるで空っぽになってしまったような感覚。
それはちょっとした恐怖でした。
いつも頭を使って何かを考え、まとめ、話すことが仕事だった私は、もう仕事ができないんじゃないか? という不安に駆られました。
それでわかったんです。
私はいつも頭の中に考えが浮かんでいて、何をしていても脳の中では思考が行われている人で、それが当たり前だと思っていました。
でも、それは決して当たり前のことではなくて、脳の過剰な稼働状況だったのだということを知ったのです。
脳がわかりやすく常に常に動いている状態。
おそらく脳はいつも緊張状態なわけですから、寝れないはずだったんです。
本当に強迫性障害か?社会性不安障害? …そして全般性不安障害
自分は強迫性障害だと思ったのですが、にょんにはその症状はなかったのです。
なので、夜な夜なネット検索は続けていました。
不安障害の一つに「社会性不安障害」というものもあります。
人前で注目が集まるような状況で、強い不安や恐怖、緊張を感じ、何か失敗して自分が恥をかくのではないかという心配や強い不安を感じる病気を社交不安障害(SAD)といいます。また、社会不安障害、あがり症と言われることもあります。
性格の問題と混同される場合もありますが、社交不安障害ではそれらの行動に強い苦痛を感じ、恐怖感や不安感を強く感じてしまい、極度の緊張と共に、赤面、大量の汗、動悸といった身体症状があらわれて、過剰に「失敗したらどうしよう」、「恥をかいたらどうしよう」という思いにかられ、次第にそうした場面を避けることにより日常生活を避けるようになってしまいます。
実はわたし、これもありました(-_-;)
ですが、にょんはこれはないのです。
なにしろ、朝から学校にいけないわりには、途中から行く、という私から見たら度胸のある行為ができちゃってましたから。
で、次に見つけたのが、「全般性不安障害」というものでした。
全般性不安障害は、毎日の生活の中で漠然とした不安や心配を慢性的に持ち続ける病気です。
ただ心配しているだけなら良いのですが、尽きることない不安と心配のために徐々に身体症状や精神症状が現れるようになり、不安が悪循環していきます。全般性不安障害の患者さんが抱える不安は、持続的で程度も過剰であり、本人が思うようにコントロールできません。自分や家族に何か恐ろしいことが起きるのではないかと絶えず心配し、そわそわと落ち着かず、些細なことにも常に過敏に反応してしまうため、物事に集中することができません。そして、症状が進むと、睡眠や毎日の生活にも障害をきたし、日常生活をこなすことが困難になってしまいます。
これで読むと、今ではどこがピッタリだと思ったのかわからないのですが、当時はこの病気はメジャーではなく、都内のある病院のwebサイトで見つけ時は、これだ!と思ったのでした。
(今はその記述がなくなっていました)
その病院は、当時珍しかった「不安障害の専門外来」があり、しかもこどもの発達外来もしているので、ここなら、答えがもらえるかも! と思ったのでした。
そこで、まずは、私が受診することになりました。
ここの病院ならいける!
どこの病院でもそうですが、お医者様の診察を受ける前に、臨床心理士さんとお話します。
これまでいくつかの病院に行きましたが、毎回感じるのは「どこかが違う」「自分の説明が伝わっていない」でした。
ところがこの病院は違ったのです。
自分が長い間抱えていた困りごとを一通り話すと、臨床心理士さんがおっしゃいました。
「いつも自分にスポットライトが当たっているみたいに感じるんですよね。つらかったですね」
その言葉を聞いた瞬間、めったに感情の湧かない私がだーーっと泣いていました。
やっとわかってくれる人に出会えた。
そして私のこの状態を、客観的に線的な説明をしてくもらえるんだ。
その喜びは相当なものでした。
そんな感じで、私がOKだと思った病院でにょんと二人で治療を受けることになりました。